どのような占いについても共通して云えることですが、「占いとは、鑑定家に鑑てもらうもの」と一般的に思われています。これは鑑定手法を習得するのが難しいことや、時間がかかることからやむを得ません。また鑑定家を訪ね、鑑てもらうテーマを伝えるのですが、このとき鑑定家は「何を占ってほしいですか」と具体的にテーマを聞くのが一般的です。というのは四柱推命の鑑定は、鑑定家が相談者と会話しながら相手の顔色を見つつ、話している内容がある程度当たっているかの感触を確かめながら進めていきます。「来年の自分の運気を教えてほしい」といった漠然としたテーマでは、なかなかその感触が得られにくく、鑑定する側にとって一方的なコメントになりがちで、靴の上から足を搔くような、ピンときているのかきていないのかわからないという鑑定になってしまうことがあります。また、離婚や交際トラブルなど男女関係に関するテーマにおいても、相談に来られた方は鑑定家に対して、肝心の情報を伝えず、伝えやすい情報だけが提供され、特に自分に不都合な情報が提供されないことは多く、それに基づいて鑑定を行った結果、鑑定が間違った方向に向かうことがあります。

その点セルフ鑑定では、自分が気になる内面的なテーマの鑑定を行うことができるので、周辺情報はすべて自分が持っているわけですから、幅広くかつ奥深く推命プロセスを進めていくことができます。特にビジネスパーソンにとって、鑑定したいテーマは人間関係に関するものが多く、鑑定の結果、そこには自分が見たい事柄や、自分の望む都合のいい答えが出てくるとは限りません。それでも四柱推命が示すシグナルに対して、正直に真正面から向き合わないと鑑定の意味がなくなってしまいます。鑑定は専門家に依頼するだけではなく、自分自身でセルフ鑑定にトライすることで、これまで意識していない違った自分に気付くきっかけにもなります。新しい自分の発見は、自分の才能を見つけるリスキリングにもつながるでしょう。