no.123 市ヶ谷で 魁罡が散る 文壇雄

市ヶ谷で 魁罡(かいごう)が散る 文壇雄

来年2025年は、三島由紀夫氏の生誕100年で、また没後55年に当たります。昭和の天才作家の命式を取り上げてみます。わずか45年の生涯ですが、やはり強烈なのは生日干支の「戊戌(つちのえいぬ)」、つまり魁罡干支でしょう。魁罡は特殊神殺の中でも、最も強烈な星で、組合せは「庚戌(かのえいぬ)・庚辰(かのえたつ)・戊戌(つちのえいぬ)・壬辰(みずのえたつ)」の4種類しかありません。これまでの世相川柳でも、庚辰は安倍晋三元総理大臣、庚戌は羽生善治将棋連盟会長、壬辰は大谷翔平選手、ダルビッシュ有選手、野田佳彦元総理大臣を例に挙げてきました。魁罡は、周りの人々を圧倒するような強い性格で聡明、決断力、実行力に優れ、筋道やけじめに厳しく、また文章の上手な人が多い。また一方で、冷酷なところがあって、荒々しいことや、むごいことも割合と平気で行える面もある、と記されています。このことから自死の星とも言われています。しかし三島氏の命式では、三柱で五行が揃っている大変バランスの良い形でもあります。日支が「傷官(しょうかん)/冠帯(かんたい)」でもあり、頭の回転の速い賢い人であったと窺えます。もう一つ、珍しい特殊神殺の「截路空亡(さいろくうぼう)」があります。これは、あと一息のところで目的かなわず、という意味です。三島氏が追い求めていた世界に、あと一つ達成できなかった無念さを感じ取ることができます。1970年11月25日に、三島由紀夫氏は、自衛隊市ヶ谷駐屯地に立てこもり、割腹自殺を遂げます。この日の干支が「己酉(つちのととり)」で通変星は「劫財(ごうざい)」です。命中に「劫財・傷官」が揃うと、改革・革命を起こすとあります。若くして逝った、天才文筆家の最期にふさわしい姿であったかもしれません。

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