no.137 女性判事 苦悩と苦労 正官で

女性判事 苦悩と苦労 正官(せいかん)で

NHKの朝の連続ドラマのモデルとなっている、日本初の女性弁護士の一人である、三淵嘉子さんの命式を看ます。大正3年生まれ、初の女性判事および家庭裁判所長となられた方です。さすがに命式の年支と月支は、行政官の星である「正官(せいかん)」です。1938年、口頭試験司法科試験に合格されている時期も、「正官」巡りです。日柱が「癸卯(みぞのとう)傷官(しょうかん)」ですので、とても賢い人です。そして、日柱十二運が「長生(ちょうせい)」、月柱「帝旺(ていおう)」ですので、行動力が抜群です。戦前期に女性が判事・検事に就くことが省令で禁じられていた事への反発から、1947年に裁判官採用願いを司法省に提出するという行動力にそれが現れています。その2年後に判事補に任命された時は「偏官(へんかん)」巡りです。しかしこの方、相当苦労をなさったのではないでしょうか。強い「正官」を持っている一方、強い「傷官」も「正官」を抑えつけています。1956年、東京地裁判事となり、広島と長崎の被爆者が原爆の責任を訴えた「原爆裁判」を担当した時は、大運(10年運)の替わり目です。相当な苦悩と、苦労をされたのだと思います。そして7年後、判決は請求棄却となりますが、日本の裁判所で初めて「原爆投下は国際法違反」と明言されました。この年の干支が、日干支と同じ「癸卯」で、吉凶激しく作用するという「転址殺(てんしさつ)」となっています。命式からは、人生のご苦労の様子が窺えます。

Follow me!