no.121 おしどりの 己土濁壬が なかお上げ
おしどりの 己土濁壬(きどだくじん)が なかお上げ
5月16日、幅広い役柄で人気を博した俳優の中尾彬さんが亡くなられました。奥様の池波志乃さんとのおしどり夫婦ぶりが知られています。世相川柳では、不祥事・事件を取り扱うことが多いのですが、今回は、男女の相性を看てみましょう。まず男女の相性は、自分自身の柱である、お互いの日柱の関係から判断します。その干支が、「財官一致」、「干合・支合」・「同一五行」などであれば、相性は良いと看ますし、逆に「刑・冲・害」にあれば相性は悪いと判断します。中尾さんと池波さんの場合は、特にこれらの良い関係や悪い関係は現れていません。しかし注目すべき点があります。それは、池波さんの月柱と日柱の十干が、「己(つちのと)」と「壬(みずのえ)」で、これは「己土濁壬(きどだくじん)」と呼ばれています。砂地の土と、大海の水とがあい交じり、水が濁るという象で、仲は良いが、その中味は相性が良いというよりむしろ腐れ縁で、中々手が切れない状態です。そして、会社などの組織では、二人が手を組むと不正の温床になるとされ、要注意の関係です。しかし池波さんの命式では、食神⇒正財⇒正官という、正官という夫にエネルギーを注ぐサイクルを持っており、中尾さんに尽くす姿とも言えます。中尾さんの命式を看ますと、今年の干支の「甲辰(きのえたつ)」の辰が、大運の「丙辰(ひのえたつ)」とは「辰・辰の自刑」の凶象となり、また巡る通変星が「倒食(とうしょく)」です。ご自身の月支・日支の寿命の星である「食神」が倒されている状況になっています。腐れ縁とはいえ、最大の内助の功で尽くされた奥様に、見守られたことでしょう。